●CT定期診断:必要ないだけでなく、有害?
先日、会社の健康診断を受けました。お蔭様で特に問題となる検査値は出なかったのですが、このような健康診断を受けない人が多くなっているのを知り、驚きました。
やれ、自分は白衣性高血圧だから正しい血圧検査結果が出ないとか、バリウムを飲む胃X線造影検査はしんどいからいやだというのが理由のようです。
実際、私もバリウム検査を受けた後にバリウムをうまく排泄できず、ひどい目にあった経験がありますので、一概には否定できず、複雑な気持ちです。
さて今回、肺がんの早期発見が期待されるコンピューター断層撮影法(CT)による定期診断には、肺がんによる死亡率を低下させる効果がなく、不必要なばかりでなく、逆に有害な医療行為にもなりかねない―という調査結果が報告されました。
気になる話題でしたので、取り上げてみました。
これは、米メイヨー・クリニックなどの研究チームがまとめ、米医師会雑誌に発表したものです(2007年3月号)。
調査は、肺がんのリスクの高い喫煙者と元喫煙者3,246人を対象に、4年間、毎年1回CT診断を実施した結果をまとめたもので、この間肺がんで亡くなったり、進行性の肺がんと診断された患者の割合を、過去のデータをもとに算出したCT診断を受けない場合と比較しました。
その結果、死亡率、進行がんに発展する率とも、診断を受けた場合と受けない場合に大差がないことが明らかになりました。
CT検査は、がん細胞が小さい内に早期発見し、早く治療することで死亡率を引き下げることを期待して行う検査なのですが、実際にはこのような本来期待される効果がほとんどない、という訳です。
そして、研究チームは、「CT診断で肺がんを早期発見することはできるが、治療しないと急速に悪化するがんは見逃している可能性がある。そのような不必要なCTの診断を受けるべきではない」、と提言しているそうです。
しかし今までには、CT診断はがん予防に役立つ、とする調査結果もあり、この研究のデータ解釈に疑問を投げかける専門家の声もあるようです。
そういえば私の手元にある、ベストセラーになった「医者が患者をだますとき(ロバート・メンデルソン著、草思社)や、「健康診断・人間ドックが病気を作る(中原英臣、矢島新子共著、ごま書房)、痛烈な健康診断に対する批判があります。
健康診断を受けるべきか、受けざるべきか?
ハムレットの心境です。
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